花巻の奥座敷、花巻南温泉峡の中間に位置する旅館「山の神温泉 優香苑」。
宮大工の手が感じられる既存建物に、地域の豊かな資源である自然環境を取り込みながらリノベーションを施しました。宮大工の職人技と自然環境の共演によって生まれる感動を生み出すため、エントランスホールの格天井を活かしながら視界を遮る奥の壁を撤去し、正面のレストラン越しには巨大なパノラマピクチャーウィンドウを設置しました。
ダイナミックな格天井と四季によって変化する景観が重なりあい、圧倒的な空間の連続性と抜け感が生まれました。また中央のラウンジには、南部鉄器「釜定」の宮氏とコラボレーションした巨大な釜、その周りには「長山工芸」の長山氏による南部細目組紋様細工の照明を設置し、地域の伝統工芸に触れながらゲストが休める場所づくりを試みています。
新設した露天風呂では、既存の植栽の中にインフィニティエッジのスクエアな源泉掛け流し温泉をつくり、周辺の緑の景色が湯面に映り込み、より自然と一体になれる露天風呂を目指しました。風呂内には水中チューブライトにより、色変化する幻想的な夜景の表現を試みました。
(UDS在籍時の実績)