中禅寺湖を目の前に望むホテルの増築と改修。
湖面の心地よい“ゆらぎ”をホテルの中に取り込むようにデザインを考えた。
[レストラン]
天井高さを最大化することを考え、高さと傾斜の異なる5枚の天井を作った。外部からの光の受け方が変わるため、それぞれの場所の明るさが緩やかに変わる。高さの違う天井は間接照明でお互いを強調し合うものとなった。また、全席中禅寺湖ビューを確保したレイアウトとした。最前列は外輪山の形状を模した山状のハイバックに囲まれるようにし、背後からの視線を遮るようにし、落ち着いて食事できるように考えた。
[2階客室]
テラス付きの客室で、屋外に露天風呂を設置。内外を一体化するためカウンターを延長し、つながりを作りだした。窓際はL字の壁で囲み、軒のようにすることで内部と外部のつなぐ機能を持たせた。
[客室]
3/4階にあるコンパクトな客室は、反射を使うことで広がりを感じられるようにした。窓際の天井に反射率の高い素材を使用し、湖面のゆらぎを映し込む鏡のようにした。また最大4mも移動する建具を設け、使い方によってTVやクローゼットを隠しながら、仕上げ面に反射した光を取り込むデザインとした。建具には中禅寺湖のシルクスクリーンをし、部屋から見える方向が確認できるようにしている。客室に入って最初の建具はアルミハニカムを使用し、湖面の揺らぎを内部に拡散する役割を果たしている。また夜になり洗面の照明をつけると、行灯照明のようになり、ヘッドボードの上を演出する。
■設計
意匠設計 杤尾直也 齋藤麗(元所員)
構造設計 谷亮介構造設計室
[2階客室]
[客室]